菊花賞(GI)

10月24日京都競馬場 3000m(芝・外) 馬齢 牡・牝 3歳オープン

三冠を締めくくる長距離戦

歴史

菊花賞は、イギリスのセントレジャーに範をとり創設されたクラシックレースのひとつで、最もスタミナのある優秀な繁殖馬を選定するためのチャンピオンレースである。このため、出走資格は3歳の牡馬と牝馬に限られ、せん馬(去勢馬)は出走できない。また、本競走はクラシック三冠(皐月賞・東京優駿・菊花賞)の最終関門であり、皐月賞は“最も速い馬”が、ダービーは“最も幸運に恵まれた馬”が、菊花賞は“最も強い馬”が勝つと言われている。これまでに、セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクトそしてオルフェーヴルの7頭が三冠馬に輝いている。

1938年に『京都農林省賞典四歳呼馬』として本競走は創設され、1948年より現在の名称『菊花賞』になったが、京都競馬場のスタンド改修工事により阪神競馬場で行われた1979年を除き、距離3000mと京都競馬場での開催は第1回から変わることなく、今日まで連綿と受け継がれている。この京都競馬場の芝・外回りコースを舞台に、スピードとスタミナを兼ね備え、2度の坂越えと3000mの長丁場を克服した馬だけに、菊花賞馬の栄誉が与えられる。

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コースの特徴

京都・芝3000m(外回り)

向正面の上り坂の途中からスタートして、コースをほぼ1周半するレイアウト。スタートしてから3コーナーまでの距離が約200mと短く、3コーナーに入ってすぐ急な下りがある。外を通るとコーナーで振られるためロスになるが、かといって前半で無理にポジションを取りにいこうとすると、1周目の下りからホームストレッチにかけて折り合いを欠くケースが多く見られる。京都の芝は移動柵がA〜Dコースまで取れるため良好なコンディションが保たれて、終始インコースの良い状態が続きやすい。スタミナはもちろん必要だが、距離延長に対応できる順応性や、インを回れる器用さが重要になることも多い。

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Aコース使用で馬場状態は良好
秋の京都開催3週目に行われる牡馬クラシック最終戦。今年は通常通り4回開催で行われ、全日でAコースが使用される。芝は野芝がベースで、洋芝(イタリアンライグラス)が混合されているオーバーシード。今開催はここまで良馬場でレースが行われており、芝状態は良好だ。先週の秋華賞の勝ちタイムは2分00秒4(良)と時計を要したが、これはスローペースの影響によるもの。土曜日の11R清水S(1600万クラス・芝1600m)は1分33秒0(良)の好時計が出ている。 過去10年の菊花賞の平均勝ちタイムは3分04秒7。すべて良馬場で行われている。ただ、長距離戦であるためペースによってタイムが左右される可能性が高くなる。最も速かったのはソングオブウインドが勝った06年で3分02秒7。これがコースレコード。最も遅かったのはビッグウィークが勝った10年で3分06秒1となっている。

残り800mからペースアップ
外回りコースをほぼ1周半するコース形態。スタート地点は、バックストレッチの3コーナー手前の登り坂。スタートしてすぐに右へ曲がるカーブがある。3〜4コーナーは下り坂。ホームストレッチから1〜2コーナーまでは平坦。2周目の向正面に入り、坦々とした流れが続く。隊列が動き出すのは2周目の3コーナー過ぎ、坂の頂上付近。ここからゴールまでの800mの間、下り坂を利しての目一杯の追い比べとなる。 3000mの競馬なのでスローペースは必至。しかし、ラップを相対的に見ると前半1200mあたりまでは決して遅くない。11秒台から12秒台前半のラップが続き、むしろ速い印象すらある。もっとも単騎の大逃げに出る馬がいた場合は同馬の通過タイムとなる。馬群全体が速いというわけではない。 1200mを過ぎたあたりからようやく先頭の馬のペースが緩み、12秒後半から13秒台のラップが1000mほど続く。このあたりはまさしくスローペース。そして残り800mから一気にペースアップする。レースの上がり3ハロンは、34秒台後半から35秒台。ゴール前に急坂がないことと、馬場状態が良好であることによりこの距離でも上がりの時計は速い。

先行抜け出しが王道
ラスト4ハロンでのラップ間の差はあまりなく、最後1ハロンの上がりも極端にかからない。11秒台や12秒台前半というケースがほとんど。決め手に自信がある馬でも脚を溜めすぎると末脚不発に終わる。徐々に好位に押し上げて、直線入り口では前を射程圏内に捕らえることが必要になってくる。よって、先行馬が【7.1.6.19】という好成績。オルフェーヴルやオウケンブルースリでも4コーナーは3番手以内という結果。人気馬だけでなくビッグウィークやデルタブルースといった穴馬も同様。単・複回収率も100%を超えている。次に差し馬で【2.7.2.67】という成績。逃げ馬は【0.1.1.11】で厳しい。過去10年で好走したのはアドマイヤメインのみ。追い込み馬も【0.1.2.49】と苦戦している。 コーナーを6回も回ることになるので、距離ロスを避けるためにできれば内枠がほしいところ。過去10年枠順別成績を見ると、1枠は【2.2.2.14】という成績。連対率は20.0%、複勝率は30.0%でトップの数字だ。ただし、2枠は【0.1.2.17】でひと息。7枠は【2.2.1.24】で、8枠は【2.0.1.26】と外枠でも好走馬が十分に出ている。枠順が結果に及ぼす影響は少ないのだろう。自在性があり、自ら動いて勝負どころで好位を取れるような馬ならばどの枠でも大丈夫だ。



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